気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ふくわらい - 西加奈子

初の西加奈子作品。好き嫌いのわかれる作品だと思いますが、僕は完全にやられました。ありきたりな感想ですが、実に良かったです。

作家さんの名前からふんわりとした感じの小説を書く人かなと勝手に思ってましたが、全然違いました。

他人と交わるのがそれほど得意じゃない周囲から浮いた感じの編集者・鳴木戸定という25歳の女性が最後はすごく素敵な女性に思えました。脇役もみな個性的で特にプロレスラー守口の生き様にはジーンとくるものがありました。

主人公の鳴木戸定が少しずつ変わって行く成長物語とも取れますが、実は自分の気持ちに素直にそして相手に対し誠実に接する彼女が、周りの人々を(そして読者をも)変えていく物語なんじゃないかなと思いました。

登場人物たちが周りの人から少しずつ影響を受け、影響を与えて変わって行く様にエネルギーをもらいました。

 

ふくわらい

ふくわらい