修羅走る 関ヶ原 - 山本兼一
関ヶ原の戦い一日だけを描いたこの小説は、470ページにもおよぶ大作ですが、その長さを感じさせず、僕としてはかなりのハイペースで夢中で読み終えました。
多くの武将の視点から関ヶ原の戦いを描き、物語を一つにまとめあげるという手法はとても新鮮。それぞれの登場人物の想いや苦しさがひしと伝わってきました。 どう生きるのか、どう死んで行くのかを読者に問いかける著者渾身の作。
土肥市太郎、市次郎という名も無い侍(おしらく創作上の人物)を登場させ、語らせ、葛藤させることで、リアリティのある緊迫感あふれる物語になっていると思います。
ラストの余韻を与える終わり方も好きです。
山本兼一さんの作品を読んだのはこの作品で4冊目です。まだ読んでいない作品も沢山ありますので、これから少しずつ読んでい行こうと思います。
それにしても57歳という若さでの逝去がとても残念です。