気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

R62号の発明・鉛の卵 - 安部公房

機械、死者、動物、物体、未来人などのちょと変わった視点から人間を描く前衛的な異色短編集。

表面的なストーリーは理解できるものの、その本質はと問われると答えに窮する難解な作品が多い。その中でも表題作の「R62号の発明」「鉛の卵」はわかりやすく読みやすく面白い。「棒」「変形の記録」はちょっと難しかった。

常識や既成概念、価値観をぶちこわすことで、新たな視点を読者に与えてくれる、そんな作品群。それにしても、ブラック企業が世間を騒がしている今と当時とで、本質的なところでは何も変わっていないような気がするなー。

 

自炊した本を iPhoneで再読しました。

R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)

R62号の発明・鉛の卵 (新潮文庫)