気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

キサトア - 小路幸也

優しい気持ちになれる大人が読むファンタジー。

朝と夜それぞれ真逆の時間に眠る不思議な双子の姉妹キサとトアの名前が題名になっているけど、主人公は二人の兄のアーチ。

キサとトア二人を題名にするならば、もっと二人の不思議な症状の謎を掘り下げて欲しかったかなと思うけど、ほんわかとした世界観が気に入ったので良しとしよう。

彼らは自然と共にゆっくりとした時間の中で生きている。僕にはそういった生活は出来ないだろうけど、自然と共に生きることへのあこがれが心の中にあるからだろう、彼らが実に羨ましい。

この物語にはいくつものエピソードが出てくるけど、アーチが参加する「マッチタワー」コンテストのくだりが一番印象に残ったかな。マッチタワーが美しく燃える様子を見てみたい。

 

キサトア (文春文庫)

キサトア (文春文庫)