気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

平凡 - 角田光代

ある程度の年齢を重ねると「もし、あの時ああしていれば、今は別の人生があったんじゃないか」そんなことを想像してしまう事って、誰でもあるんじゃないでしょうか。そんな男女を主人公にした6つの短編が収められています。

でもその別の人生が果たして自分の望むような人生なのか、幸せな人生なのか、それもまたわからないし、くよくよ思い悩んでも仕方ないこと。結局は今の人生は自分が選んだ人生なのだから。

6編の作品を読み終わると、今のこの平凡な生活もそれほど悪いもんじゃないなと思う気持ちが湧いてきます。

かつての恋人が開いた店を訪ねる中年男性の話「いつかの一歩」、離婚した女性と一人暮らしのお婆さんとの一期一会の話「どこかべつのところで」が特に良かった。 

 

平凡

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