気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

フォルトゥナの瞳 - 百田尚樹

人に「死」が迫っていることが見えてしまう眼を持った男の物語。とても読みやすく最後まですいすいと読む事ができました。死のせまった他人を助けると、自分の命の削られるなんて、それは苦しすぎます。苦悩する主人公が最後に取った自己犠牲の行動はとても自分にはまねができないと思います。

小さな普段の選択の積み重ねの上に今の自分がいて、他の人の運命にも大なり小なりの影響を与えているというのは分かっているけれど、その選択が他人の命と自分の命の引き換えに直結しているとしたら... 考えさせられます。

でも最後のエピローグは不要だった感じます。恋人・葵が採った選択と、主人公・慎一郎の採った選択の対比を描きたかったのかもしれませんが、だったらそんな種明かしをするんじゃなくて、一緒に悩む姿を描いて欲しかったと思います。

 

フォルトゥナの瞳

フォルトゥナの瞳