宮部みゆきの時代物ファンタジー。
なんの前提知識もなく読み始めたので、まさか人の怨念で造られた化け物(怪獣)が出てくる話とは思いませんでした。
この「荒神」は、話がなかなか進まない「模倣犯」や「孤宿の人」と同じ作者なの?と思えるくらいに、スピード感と緊迫感のある手に汗握るストーリーで実に面白い作品でした。
でもたんなる化け物退治の話ではなく、自分の家族や身近な人を守るために、人を憎み戦い合うという悲しい人の性を描いている点はさすが宮部みゆき。登場人物も皆魅力的でした。
朱音の最後は悲しかったけど、清々しい風を蓑吉少年と一緒に感じることができました。