男たちの経営 - 城山三郎
自炊して iPhone で再読。内容を完全に忘れていたので、初めて読むような新鮮さがありました。
花王の創業から始まり、同族経営から脱却し近代化するまでの実名企業小説。実名ということで、小説としては制約が多いためか、事実の羅列っぽい感じが否めませんが、嘘のないストーリーは力があります。
はじめは創業者が苦労しながら経営を軌道にのせる話かと思ったら、すぐに息子の代に話に移ってしまいます。そうか、この2代目社長が大胆な改革をして活躍する話なんだ、と思ったて読んでいたら、そうではありませんでした。分社化された「日本有機株式会社」が、親会社を吸収し、花王の基礎を築くという話でした。
やはり企業は経営者に大きく左右されるんだな思うとともに、時代の逆風に打ち勝つには、反骨精神にあふれた丸田のような存在もまた必要なのだと改めて思った。