気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2008-06-01から1ヶ月間の記事一覧

博士の異常な発明 - 清水義範

マッド・サイエンティスト達の異常な発明を扱った連作短編集です。とても風変わりな小説です。風刺が効いたSFユーモア小説?と分類したらよいのでしょうか。とにかく面白いです。8つの短編集のなかで、一番可笑しかったのは、「袁孫の発明」。中国・唐の時…

石の血脈 - 半村良

半村良の処女作でもあり、「伝奇ロマン」や「伝奇SF小説」と呼ばれるジャンルを開拓したとされる記念碑的作品です。久しぶりに読み直しました。アトランティスの謎、巨石信仰、犬神信仰、狼男、吸血鬼伝説などなど伝記ロマンの題材を広範囲に融合させてあり…

豊臣秀長―ある補佐役の生涯〈下〉- 堺屋太一

この小説の特徴は堺屋太一らしく、経済という視点で戦国時代を見ている点でしょう。戦国時代の大名たちも戦の出費に苦労していたとか、兵農分離がなされていないがための苦労があったということは、あまり語られない部分だと思うのですが、そういったところ…