気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2004-10-01から1ヶ月間の記事一覧

接触(タッチ)

どんな病も直してしまうという、奇跡の力を突然持つようになった開業医のアラン。自分が素晴らしい力を得たことを知り喚起し、大勢の難病を患う人々を助けようとしますが... それには大きな代償を払うことに。とにかく、彼の小説は読み始めたらとまらなくな…

樅の木は残った - 山本周五郎

山本周五郎の代表作。「伊達騒動」といわれる伊達家のお家騒動において、極悪人の烙印を押されていた原田甲斐に対し、新しい解釈を与えており、闘い抜く人間の姿を感動的に描いたとても重厚感のある歴史小説です。ひとつの大事を成し遂げるために孤独に絶え…

カッコウはコンピュータに卵を産む

本書は、ネットワークハッカー追跡のドキュメントです。天文学の研究者であり本書の著者であるクリフォード・ストール氏が勤めるバークレーにあるローレンス・バークレー研究所で、研究所の課金情報がたった75セント違っていることが、きっかけとなり、F…

晴れた空 - 半村良

戦争孤児たちが、上野を舞台に戦後の厳しい時代をたくましく生き抜いてゆく感動長編です。半村良と言えば、「黄金伝説」をはじめとする伝説シリーズが有名ですが、この「晴れた空」は、本当に同じ作者が書いたのだろうかと思わせるほど、その趣が異なってい…

思考系UMLモデリング即効エクササイズ

オブジェクト指向モデリングの学習用書籍です。全部で13の演習問題があり、それを順番に解いてゆくことで、モデリングの力が付くような仕組みになっています。オブジェクト指向の概念とUMLについては理解しているけれど、どうモデリングしたらよいのかが分…

マンハッタンの戦慄

ナイトワールド・シリーズ(正式?には、ナイトワールド・サイクルというのだそうです)の第2弾である「マンハッタンの戦慄」は、第1段の「ザ・キープ」とはまたちがった面白さがあります。「ザ・キープ」の舞台は第2次世界大戦時のヨーロッパでしたが、「マ…

こんにちはソフトなプログラム、さようならハードなプログラム

作者の熱い思いが伝わってくるような良書だと思います。この本は、様々な機器に組み込むソフトウェア(いわゆる組み込みソフト)を開発している人を主な対象読者としているようですが、ここに書いてある内容は、僕のようなPC系の開発している開発者にもほと…

クロスファイア - 宮部みゆき

生まれながらにパイロキネシス(念力放火能力)という特殊能力を持つヒロイン、青木淳子の悲しい運命を描いた名作。それにしても、最初の数ページで一気に読者を物語の中に引き込んでしまう宮部みゆきの圧倒的な筆力に脱帽です。本当に彼女(青木淳子)は、…

竜の柩(1)-(4) - 高橋克彦

もし、SFファンでこの小説を読んでいない方は、是非読んでみてください。伝奇小説とSFの融合作品といった感のある作品で、とてもスケールの大きい面白い内容です。「古代の神々は宇宙から来た」という仮説を、世界各地に存在している伝承や史実をうまく組…