気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2010-04-01から1ヶ月間の記事一覧

電子書籍の衝撃 - 佐々木 俊尚

出版業界の負のスパイラルについては初めて知りました。ここ数年出版される書籍点数が増えているということは知っていましたが、そんな事情があるとは知りませんでした。ユーザ不在とはまさにこのことですね。電子書籍の登場が日本の出版社を変えることがで…

絲的メイソウ - 絲山秋子

絲山秋子の素顔がわかるエッセイ集。自分をさらけ出して書いているからでしょうか、とても面白く読むことができました。「世の中よろず五七調」には驚きました。エッセイの文書がすべて五七調で書かれています。その発想がすごいし、実際に書いて発表してし…

空中ブランコ - 奥田 英朗

トンデモ精神科医・伊良部のもとに訪れる患者たちの苦悩を面白可笑しく描いた短編集。前作『インザプール』よりもさらにパワーアップしているように感じます。可笑しいけど最後はほろっと来て前向きな気持ちにさせてくれます。文句なく面白い、傑作だと思い…

夜叉桜 - あさのあつこ

『弥勒の月』の続編にあたる作品。ひとそれぞれが生まれながらに背負っている運命や変えられない過去に、どう対応してゆけば良いのか、いろいろと心の中で思いが巡ってしまうそんな作品。ちょっと重苦しい雰囲気を持った作品ですが、読み応えがあり、主人公…

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか - 福岡 伸一

『生物と無生物のあいだ』を書いた分子生物学者の福岡伸一の科学エッセイ。生物とは何かをとてもわかりやすく噛み砕いて説明してくれます。アンチエイジング、ダイエット、ウィルスなど、身近な話題を、われわれ一般人とはまったく違った切り口で論じており…