気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

北重人

汐のなごり - 北重人

江戸時代の水潟(架空の街、山形県酒田市がモデルと思われる)を舞台とした短編集。第140回直木賞の候補作で、6編が収められています。どれも心に染みるいい話でした。特によかったのは「海羽山」。幼いときに生き別れた兄と、年老いてからの再開の物語に…

蒼火 - 北 重人

以前読んだ「夏の椿」もそうでしたが、殺人鬼を追い詰めて行く、後半のスピード感と緊迫感、とても良かったです。暗い過去を引きずる主人公・周之介が、とても魅力的に描かれています。江戸時代と現在とでは、時代背景が全く異なりますが、人を傷つけた罪の…

夏の椿 - 北重人

BOOKデータベースより 天明六年。江戸が大雨に襲われた日、甥の定次郎を何者かに斬殺された旗本の三男坊である立原周乃介は、その原因を調べるうちに、定次郎が米問屋柏木屋のことを探っていたことを知る。柏木屋の主人、仁三郎には暗い陰が見え隠れしている…