気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

終末のフール - 伊坂幸太郎

「8年後に小惑星が落ちてきて地球が滅亡する」と発表され、世界はパニック状態になり、治安が大きく乱れます。その5年後、秩序がかなり回復した仙台の北部の「ヒルズタウン」の住民の生活を描いた連作短編集です。未来が無い絶望的な状況で人々はどう生きて…

ボーイズ・ビー - 桂 望実

母親を亡くした小学6年の少年・隼人と、たまたま知り合った偏屈で他人との交わりを拒む靴職人の70歳のじいさんとの心の交流を描いた作品です。僕は、靴職人の園田栄造の視点でがこの小説を読み進めましたが、他人との関わりを避けてきた栄造が、少年との…

およね平吉時穴道行 - 半村良

半村良の初期の作品8編が掲載されています。本当に久しぶりの再読だったので、表題作の『およね平吉時穴道行(およねへいきちときあなのみちゆき)』の切ないイメージだけが微かに残っていたくらいで、全く内容を忘れていました。現代人が過去にタイムスリ…

マイナス・ゼロ - 広瀬正

僕にとってSFと言えば、やはりタイムトラベルです。この作品は、タイムトラベルものでは日本SFの金字塔的作品で、ハインラインの傑作「夏への扉」と比べても引けを取らない素晴らしい出来だと思います。終わり方もとてもいいですね。その先にどんな出来事が…