気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2014-11-01から1ヶ月間の記事一覧

生命なき街 - 城山三郎

自炊してiPhoneで再読。 戦後日本の高度成長期におけるサラリーマン達の苦悩・悲哀を描いた短編集。 報われることがないまま幕を閉じる話が多い。逃げ出したくても逃げだすことも難しい厳しい時代に生きたこういった名もなき企業戦士達が日本を支えてきたん…

銀翼のイカロス - 池井戸潤

半沢直樹シリーズ第4弾。 今回は破綻寸前の航空会社が舞台です。この人物のモデルになったのは誰だろうと勝手に想像してしまいました。社会派ドラマとして読むといろいろと物言いがつきそうな感じもしますが、勧善懲悪のエンターテイメントとしては、理屈抜…

やさしい訴え - 小川洋子

カリグラフィー作家とチェンバロ製作者という僕にとっては非日常に生きる人の日常。 そこで織りなす男女の三角関係が残酷でありながらとても静かで悲しくそして美しい。 主要人物三名と一匹(犬)が皆何かを失っているという設定が、喪失感、孤独感や不安定…

ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく - 堀江貴文

証券取引法違反で逮捕され、2年半の刑期を終えたホリエモンがいったいどんなことを書いているのか、意外や意外、実に全うなことが書いてあります。 ゼロの状態の自分に小さな一を足して行く、これの積み重ねが大切だ。これが自分の人生を変えることになる、…

親鸞(下) - 五木寛之

中学時代にただただ丸暗記した「浄土宗、法然、念仏」の裏にはこのような世の中の背景と人間ドラマがあったのかと感慨深い気持ちになりました。 もちろんエピソードのほとんどは創作だと思いますが、それでも登場人物たちの想いが深く心に響いてきました。 …