気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

生物と無生物のあいだ

話題になった本だけあって面白いです。前半は、生命の謎に挑んだ科学者たちの熱きドラマがあります。DNAの発見をめぐる科学者たちの苦労と激しい競争が鮮やかに描かれていて、上質なミステリーを読むようなそんな感覚で読み進めることができます。そして後半…

逃亡くそたわけ - 絲山秋子

21歳の学生で自殺未遂をはかり精神病院に入院させられていた躁病の「花ちゃん」は、鬱病の「なごやん」を無理やり誘い病院から脱走する。二人は、なごやんの車で九州縦断の目的地の無い逃避行の旅に出る。『海の仙人』のときもそうだったが、面食らうくらい…

辛酸―田中正造と足尾鉱毒事件

明治時代後半に実際にあった栃木県の足尾銅山公害事件を取り上げた作品。現在は渡良瀬遊水地になった栃木県下都賀郡谷中村の人々が理不尽な立ち退きを命じられ、それに抵抗する村人たちとそれを支援した田中正造の凄まじい生き様を描いています。それにして…