気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2013-09-01から1ヶ月間の記事一覧

いちばん大事なこと 養老教授の環境論 - 養老孟司

虫の分布が日本列島が変化してきた歴史と密接な関係を持っているというのは、ちょっとしたコロンブスの卵だった。 それにしても、いち早く都市化し森を草原に変えたイギリスでは、虫の標本を管理することができて、一方、自然と共生してきた日本ではそれが出…

壁 - 安部公房

若い頃読んだ本を自炊してiPhoneで再読。 人間の孤独と不条理を描いたシュールな短編集。名前を失った男の話(S・カルマ氏の犯罪)、影を喰われて透明になった男の話(バベルの塔の狸)、人々が液状化してしまう話(洪水)など、奇妙きてれつな話だけれど、…

単純な脳、複雑な「私」- 池谷裕二

ブックデータベースより 20年前に卒業した母校で、著者が後輩の高校生たちに語る、脳科学の「最前線」。切れば血の吹き出る新鮮な情報を手に、脳のダイナミズムに挑む。かつてないほどの知的興奮が沸きあがる、4つの講義を収録。 とても興味深く読みました。…

家守綺譚 - 梨木香歩

梨木香歩さんの作品はこれが2冊め。 前回読んだ『西の魔女が死んだ』とはちがった雰囲気の作品。でもゆったりと時間が流れる世界は同じものを感じる。 約百年前の明治を舞台とした物語。亡くなった親友の実家の守をすることになった青年の四季折々の植物と「…