気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

鉄の骨 - 池井戸潤

建設業界の談合を扱った社会派小説。 数年前に小池徹平くんが主演したNHKのTVドラマを見て、いつか原作も読んでみたいと思っていた作品です。 骨太のTVドラマも良かったですが、原作も同様にぐいぐいと話の中に引き込まれました。 企業が生き残るための談合…

珍訳聖書 - 井上ひさし

自炊してiPhoneで再読。 花の浅草ドッグ座の犬芝居、人気ストリッパーのマリアが狂犬病を発症、弟の刑事犬・犬塚と医師犬・犬丸が感染経路を探るべく捜査を開始した...がしかし... 意外などんでん返しの繰り返しで読者を翻弄するエロと笑いのナンセンス戯曲…

人質の朗読会 - 小川洋子

地球の裏側で反政府ゲリラによって拉致された8名の日本人が、いつ死を迎えるかわからない状況で、人生のなかの印象的な出来事を語りだします。極限状態にいる彼らが淡々と語る物語に心打たれます。実に小川洋子さんらしい作品だと思いました。 心に残ったの…

夢からの脱走 - 小松左京

自炊してiPhoneで再読。 12編の短編が収められています。戦争を題材にした「召集令状」と「夢からの脱走」は、村上龍の「五分後の世界」と通じるものがあり恐ろしい話でした。「三本腕の男」は世の中を見通す力に脱帽。そして、タイムパラドックスを扱った「…

レオナルドの扉 - 真保裕一

レオナルド・ダ・ヴィンチが遺した秘密のノートを巡り、イタリアの小村に住む若き時計職人ジャンが活躍する夢と冒険の物語。 作者があとがきで書いているように、まるでアニメの原作を読んでいるようでした。敵役のビクトールバレルが主人公ジャンの行く先々…