気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

政と源 - 三浦しをん

73歳の幼馴染の国政と源二郎の友情物語。人情味あふれる話で面白く読むことが出来ました。この二人ほんとうに羨ましい関係です。年取ったときに、こんな風につきあうことのできる友人がいて、そして若い人とも繋がっているって、本当に素晴らしい。 源がつま…

R62号の発明・鉛の卵 - 安部公房

機械、死者、動物、物体、未来人などのちょと変わった視点から人間を描く前衛的な異色短編集。 表面的なストーリーは理解できるものの、その本質はと問われると答えに窮する難解な作品が多い。その中でも表題作の「R62号の発明」「鉛の卵」はわかりやすく読…

つばき - 山本一力

深川の一膳飯屋「だいこん」を営むつばきの生き生きとした姿が小気味よい物語でした。 ただ、物語の早々で、騙され大きな損失を出したエピソードは、意外とあっさりと片付いてしまって拍子抜け。つばきの恋の話もちょっと強引な感じ。 これは、前作「だいこ…

修羅走る 関ヶ原 - 山本兼一

関ヶ原の戦い一日だけを描いたこの小説は、470ページにもおよぶ大作ですが、その長さを感じさせず、僕としてはかなりのハイペースで夢中で読み終えました。 多くの武将の視点から関ヶ原の戦いを描き、物語を一つにまとめあげるという手法はとても新鮮。それ…

親鸞(上) - 五木寛之

タイトルからはとても堅苦しい感じを受けていましたが、読み始めてみるとそれもただの杞憂でした。 登場人物たちが皆魅力的に描かれていて、とても読みやすい文章でした。悩み苦しむ若き日の親鸞の姿に、真理に迫ろうとする親鸞の姿に、ぐっと惹かれました。…