気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

絲山秋子

離陸 - 絲山秋子

国交省の若手キャリアの主人公が失踪したかつての恋人を探し求めるミステリー? 絲山さんとしては珍しいな、と思って読んでいたら、ちょっとちがいましたね。ミステリーを期待して購入したとしたら、ちょっと期待はずれとなってしまうかもしれません。でもそ…

エスケイプ/アブセント - 絲山秋子

女性が書いたとは思えない文章に脱帽です。 闘争と潜伏にあけくれ20年を棒に振った活動家の主人公(江崎正臣)が活動家から足を洗い妹が経営する託児所を手伝うことを決心するのですが、その新しい人生を始める前の1週間ほどの短い旅の様子を描いています。 …

沖で待つ - 絲山 秋子

芥川賞というとなんか堅苦しいというイメージがあるが、まったくそんなことはなかった。「沖で待つ」で語られる数々のエピソードはリアル感が何とも言えずに良かったですね。また、主人公の住宅設備機器メーカーに勤める女性社員(私)と同期の太っちゃんの…

絲的メイソウ - 絲山秋子

絲山秋子の素顔がわかるエッセイ集。自分をさらけ出して書いているからでしょうか、とても面白く読むことができました。「世の中よろず五七調」には驚きました。エッセイの文書がすべて五七調で書かれています。その発想がすごいし、実際に書いて発表してし…

ダーティ・ワーク - 絲山秋子

7つの短編が収録されています。それぞれがまったく関係ない話かとおもったら、途中でそれぞれの話がつながっているんだと解り、なかなか憎い展開です。それぞれのラストも主人公たちの気負わない前向きさがいいなーと、思います。ダーティ・ワーク作者: 絲山…

袋小路の男 - 絲山秋子

「袋小路の男」「小田切孝の言い分」「アーリオ オーリオ」の3つの短編が収められています。表題作「袋小路の男」は、川端康成文学賞作品で、高校時代から12年間、指一本触れないまま、一人の男性を想い続けた物語。と書くと、切なく苦しく哀しいというイメ…

逃亡くそたわけ - 絲山秋子

21歳の学生で自殺未遂をはかり精神病院に入院させられていた躁病の「花ちゃん」は、鬱病の「なごやん」を無理やり誘い病院から脱走する。二人は、なごやんの車で九州縦断の目的地の無い逃避行の旅に出る。『海の仙人』のときもそうだったが、面食らうくらい…

海の仙人 - 絲山秋子

宝くじにあたった主人公の河野は、会社を辞めて、海が美しい敦賀でひとりひっそりとした生活をしています。そこへ突然、変なおじさんが姿をあらわします。それが、神様「ファンタジー」。この変な神様「ファンタジー」と、孤独に向き合う男女が織り成すちょ…