気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2011-10-01から1ヶ月間の記事一覧

火星年代記 - レイ・ブラッドベリ

1950年に発表されたブラッドベリの古典SFの傑作。人類の火星移住の歴史を描いたこのSFは、とても不思議な雰囲気を持った作品でした。いくつもの小さな物語それぞれが、幻想的であり、叙情的であり、詩的であり、味わい深く引き込まれました。人間の愚かさや…

果しなき流れの果に- 小松左京

若い頃小松左京の作品は良く読みました。この「果しなき流れの果に」も昔読んでその世界観に感動したのを覚えています。ほとんどそのストーリーは忘れてしまいましたが...今回再度読み直して、場面がころころ変わり展開も早く、理解が十分にできないところも…

富豪刑事 - 筒井康隆

とても楽しめました。TVドラマでは深田恭子が主人公でしたが、原作では、男性の刑事が主人公です。大富豪の息子である神戸大助(刑事)が、大金を実に効果的?に使い、事件を次々と解決して行きます。収められている4作どれもが、お金の使い方が独創的で、事件…

汐のなごり - 北重人

江戸時代の水潟(架空の街、山形県酒田市がモデルと思われる)を舞台とした短編集。第140回直木賞の候補作で、6編が収められています。どれも心に染みるいい話でした。特によかったのは「海羽山」。幼いときに生き別れた兄と、年老いてからの再開の物語に…