気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

加納朋子

魔法飛行 - 加納朋子

『ななつのこ』の続編。 短大生駒子の日常に起きる不思議を綴った連作短編ミステリー。 駒子の周りで起こる謎を綴った物語に、恋人の瀬尾さんが手紙による返信で謎解きをするという形式。 なんとも言えないみずみずしい感性に今回もやられました。切ないけれ…

トオリヌケ キンシ - 加納朋子

久しぶりの加納さんの作品。とにかく良かった。 とても優しく温かい気持ちになれる6つの作品が収められています。自分が若い頃に戻ったようなそんな錯覚を覚えました。日常の中にある小さな奇跡を優しいまなざしで描いた作品は、どれも外れ無し。 特に、共感…

ななつのこ - 加納朋子

日常にある些細な謎をめぐる連作短編青春ミステリー。 短大生の主人公・駒子の日常出会う謎と、作中に出てくる『ななつのこ』という小説とが見事なまでに絡みあい、僕は今までに読んだ事のない新しさを感じました。ミステリーとしてはかなり異色の作品のよう…

てるてるあした - 加納朋子

とても温かい気持ちになりました。自分のことしか考えられなかった主人公の少女照代が、周りの人々に支えられながら、少しずつ周りが見えるようになり、成長してになってゆく姿がとても良かったです。そして、つながることができるのは、同世代の人たちばか…

ささら さや - 加納朋子

文庫本のカバーの絵が、男の僕が買うには、ちょっと気恥ずかしかったのですが、なかなかよかったです。 愛する夫を交通事故で喪った少女のような女性「サヤ」と赤ちゃん「ユウスケ」の周りで起こる不思議な事件を軽妙なタッチで描く、連作短編集です。 一人…

いちばん初めにあった海 - 加納朋子

本書は表題作「いちばん初めにあった海」と「化石の樹」の2編から構成されています。全く関係のない話かと思ったら、途中でこの二つの物語が連作になっていることに気がつきました。「いちばん初めにあった海」で明かされなかった謎(?)が「化石の樹」で…