気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

半村良

黄金伝説 - 半村良

自炊してiPhoneで再読。 半村良らしい伝奇SF小説。昭和47年の直木賞候補作品。面白い。 キリストの墓伝説、UFO、新人類、遮光器土偶などいろんな要素盛りだくさんで、読者を飽きさせない。 結末にむけて多少強引な感じもしたけど、奇想天外で途方もないホラ…

回転扉 - 半村良

iPhoneで自炊したものを再読。 半村良得意の伝奇ものと現代人情ものの合わせ技といった異色SF作品。 35年前に亡くなった父親が、当時のままの姿で息子の前に現れた。息子は明治生まれの父親の言う通りに事業を進めるが、そこには、日本の進路を変えようとす…

どぶどろ - 半村 良

冒頭に7編の短編があって、それらの物語が、最後の中編「どぶどろ」の前章となっているという変わった構成。7つの短編は、江戸時代の一般庶民の悲哀を描いたものですが、どこかほっとさせる内容になっていて、それぞれ独立した作品としても十分に読み応えが…

およね平吉時穴道行 - 半村良

半村良の初期の作品8編が掲載されています。本当に久しぶりの再読だったので、表題作の『およね平吉時穴道行(およねへいきちときあなのみちゆき)』の切ないイメージだけが微かに残っていたくらいで、全く内容を忘れていました。現代人が過去にタイムスリ…

石の血脈 - 半村良

半村良の処女作でもあり、「伝奇ロマン」や「伝奇SF小説」と呼ばれるジャンルを開拓したとされる記念碑的作品です。久しぶりに読み直しました。アトランティスの謎、巨石信仰、犬神信仰、狼男、吸血鬼伝説などなど伝記ロマンの題材を広範囲に融合させてあり…

晴れた空 - 半村良

戦争孤児たちが、上野を舞台に戦後の厳しい時代をたくましく生き抜いてゆく感動長編です。半村良と言えば、「黄金伝説」をはじめとする伝説シリーズが有名ですが、この「晴れた空」は、本当に同じ作者が書いたのだろうかと思わせるほど、その趣が異なってい…