気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2013-10-01から1ヶ月間の記事一覧

留学 - 遠藤周作

留学を題材にした三部作。どれも重たい内容です。 「ルーアンの夏」「爾も、また」は、それぞれ時代は違いますが、西洋文化と日本文化の壁に苦しみ挫折する主人公の姿がなんとも言えずやりきれない気持ちになります。留学の経験はありませんが、主人公の心情…

光圀伝 - 冲方丁

水戸光圀というと、TVドラマの黄門様のイメージが強いですが、ここには新しい光圀像がありました。武力で制圧する政治から文治政治へと移り変わろうとする中で、時代を力強く生きた光圀の一生が描かれています。 読耕斎、紋太夫、佐々、泰姫、左近など脇役達…

ロボットという思想~脳と知能の謎に挑む - 浅田稔

著者があとがきで「いかんせん(私は)工学出身なので説明が難しいかもしれません」と書いているとおり、素人の僕には良く理解できない記述もあり、途中で睡魔に襲われてしまうこともありましたが(笑)、ロボット工学についての理解を深めることができました。 …

「自炊代行」違法判決で思う事

いわゆる「自炊代行」が、著作権侵害に当たるかどうか争われた裁判で、東野圭吾さん、浅田次郎さんら7名の作家の主張が認められましたが、自炊代行を利用していた僕としては、残念な結果となってしまいました。 既に多くの方がブログ等でこの判決についての…

ななつのこ - 加納朋子

日常にある些細な謎をめぐる連作短編青春ミステリー。 短大生の主人公・駒子の日常出会う謎と、作中に出てくる『ななつのこ』という小説とが見事なまでに絡みあい、僕は今までに読んだ事のない新しさを感じました。ミステリーとしてはかなり異色の作品のよう…