気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2014-02-01から1ヶ月間の記事一覧

薬指の標本 - 小川洋子

収録されている「薬指の標本」「六角形の小部屋」共に小川洋子さんらしい実に不思議な雰囲気を持った作品です。二作品とも結末があるようで無い、続きを想像してしまうそんな終わり方もいいなーと思っています。 「薬指の標本」は、物や体の一部への異常な執…

三国志(四) 臣道の巻 - 吉川英治

この巻あたりから俄然面白くなってきた。 戦乱の世の負けたものの定めとは言え、呂布の最後はなんとも可哀そう。曹操の残酷無比な所業と優秀な家臣を厚遇する態度のギャップには驚かされる。劉備は仁徳だけではないしたたかさで生きながらえる。そしてこの巻…

村田エフェンディ滞土録 - 梨木香歩

今から約100年前、考古学研究のためにトルコに留学した村田青年の下宿先での様々な出来事が不思議な雰囲気で描かれれている小説。 風習、文化、宗教の違いを超えて、トルコ人、ギリシャ人、ドイツ人、イギリス人などとの交流が、静かに淡々と語られていきま…