気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

黒い風

僕の大好きな「ナイトワールドサイクル」シリーズを書いたFポール ウィルスンによる日本を舞台にした伝記ロマン。「隠れた貌」という謎の宗教結社が不思議な嵐「黒い風」を使い、軍部とともに太平洋戦争でアジアを支配しようと企てます。恐るべき秘術「黒い…

蝉しぐれ - 藤沢周平

なんという無駄のない、隙のない、そして上品な文章だろうか。この本を読み始めて感じた感想です。始めは淡々と物語が流れて行き、文章を楽しみながら読み進めました。後半はスピード感あふれる息もつかせない展開になり、映画を見ているような感じ。そして…

もう、きみには頼まない―石坂泰三の世界

第一生命、東芝社長を歴任、高度成長期に長年、経団連会長を務め、"日本の陰の総理""財界総理"と謳われた、気骨ある財界人の生涯を描いた長篇小説。現役の大蔵大臣や総理大臣に「もうきみには頼まない」と啖呵を切れる気骨のある人物の生き方に触れるのは本…

本所深川ふしぎ草紙 - 宮部みゆき

宮部みゆきの作品は、現代物も良いですが、時代物も良いですね。本所七不思議を題材にした7つの短編集です。下町の人情物に「ミステリー」という調味料を加えたこの短編集は、どの作品も感動的で、心の奥に迫ってくる語りは、さすが宮部みゆき、と思わせる…