気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2004-12-01から1ヶ月間の記事一覧

犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日

自分の息子の死(心の病→自殺→脳死)という、とても冷静にはなれないテーマをノンフィクション作家ならではの冷静な目で描いています。柳田氏があとがきで書いているように、激しい挫折感と敗北感で打ちのめされ、作家活動そのものを続けることが困難な状態…

今夜は眠れない - 宮部みゆき

主人公の中学一年の少年・緒方雅男の母親宛に、ある男性から五億円が遺贈されます。このことがきっかけとなって、平凡な家族に危機が訪れます。この危機を乗り越えるべく、親友の島崎と共に、2人の活躍が始まります。宮部みゆきが描く少年の物語を読んでいる…

闇の報復

F・P・ウィルスンの大作「ナイトワールド・サイクル」の第5作目。第4作「リボーン」で復活した「悪」とビルライアン神父の戦いを描いています。「リボーン」で「悪」が復活し、この「闇の報復」で成長を遂げ、最終章の「ナイトワールド」へと続いていきます。…

宮本武蔵 全8巻 - 吉川英治

もうすでに、この小説の紹介をする時期は完全に逸しているかと思いますが、とても好きな小説なので紹介します。僕が宮本武蔵の興味をもったのは、ソフトウェア開発の本に「五輪の書」の紹介が載っていたから、というちょっと変わった理由からです。この本を…

赤ひげ診療譚 - 山本周五郎

長崎で医学の勉強をして江戸に帰ってきた若い医師の保本登は、小石川養生所で見習い医として働くことになります。幕府の御番医になるつもりで長崎へ遊学した彼には、「養生所」の勤務はとても不本意なことでした。そんな彼は、医長である「赤ひげ」に対し反…

人質カノン - 宮部みゆき

長編もいいけど、短編も良いですね。まさに「山椒は小粒でぴりりと辛い」といった7つの作品が収められています。その中で一番好きなのは、「八月の雪」かな。片足の不自由な引きこもりの充少年が、おじいちゃんの過去を調べてゆくことで、生きる意味、生き…

リボーン

ナイトワールド・シリーズ(本当は、ナイトワールド・サイクル)の第4作目。この本はとにかく、第1作目の「ザ・キープ」を読んでから、読み始めたほうが良いと思います。僕は、この「リボーン(reborn)」から読んでしまったので、後悔しています。2作目、…