気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

邂逅の森 - 熊谷達也

マタギの狩猟の仕方を克明に描いた職業小説かと思って読み始めましたが、すこし違っていましたね。マタギの世界に身を置く男・松橋富治の壮絶な生き様を描いた物語でした。厳しい自然と共に生きてきた日本人の魂や生きる力を描いているといったら良いのでしょうか。なんて言ったらいいかわからないけど、とにかく深い感動を覚えました。 最後のコブグマとの死闘は本当に圧巻でした。妻イクとの幸せな暮らしを願わずにはいられません。直木賞山本周五郎賞をダブル受賞したこの作品はやはりすごかった。傑作です。 

ちなみに「邂逅(かいこう)」とは、「思いがけなく会うこと、めぐりあい」という意味だそうです。

 

邂逅の森 (文春文庫)

邂逅の森 (文春文庫)