気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

過ぎ去りし王国の城 - 宮部みゆき

アバターを使って絵の中に入り込むことができる、そんな不思議な絵を偶然手にいれた中学3年生の「尾垣真」。同級生の「城田珠美」との二人でどんな楽しい冒険を始めるのだろうかと思って読み始めたら、話は想像とは違う方向に。

ファンタジーとはいえ、扱っているのは、ネグレクトや校内いじめなど現代の日本が抱える社会問題。じつに宮部みゆきらしい作品で、グイグイと物語の中に引き込まれました。

結局「城田珠美」が抱える問題は解決しませんでしたが、一つのことをやり遂げ、彼女自身の心に変化が見て取れたラストよかったです。彼女が抱える問題は、誰かが手を差し伸べてくれたとしても、最終的には彼女自身が解決していくしかないのですから。

過ぎ去りし王国の城

過ぎ去りし王国の城