気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

湯本香樹実

春のオルガン - 湯本香樹実

小学校を卒業したばかりの12歳の少女と弟の成長の物語。大人の身勝手さに揺れ動く多感な少女の気持ちが、丁寧に描かれていています。湯本香樹実の「夏の庭」や「西日の町」など今まで読んだ作品もそうでしたが、この作品も、子どもとお年寄りとの関わりがと…

西日の町 - 湯本香樹実

湯本香樹実の作品を読むには、『夏の庭』『ポプラの秋』に続いてこれが3冊目です。彼女の作品を読んで毎回驚かされるのはその文章の上手さです。説明調の文章はほとんどなく、それでいて登場人物の心の動きや情景を上手く表現されています。時代は昭和30…

夏の庭―The Friends - 湯本香樹実

『ポプラの秋』がよかったので、彼女の処女作『夏の庭―The Friends』を読んでみました。期待以上の出来で大満足です。十数カ国で翻訳出版されているのも頷けます。人が死ぬところ見てみたいという好奇心から、同じ町に住む老人を見張ることになった、小学6…

ポプラの秋 - 湯本香樹実

小学低学年の女の子(千秋)と、千秋が住んでいるアパートの大家のおばあさんとの奇妙な日常の交流を描いた心温まるお話し。 なにより、おばあさんが、やさしい物分りのよい年寄りなんかではなく、近寄りがたい、かなりの変わり者っていう設定がイイ。挫折感…