気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

科学・生物

人工知能は人間を超えるか - 松尾豊

人工知能についてわかりやすく説明してくれているので、今のAIで何が出来て何がで出来ないかがよくわかります。 でも、具体的なAIの仕組みの話になると、第2次AIブームまでは具体的なイメージを掴めるのですが、機械学習、ディープラーニングになると、具体…

ロボットという思想~脳と知能の謎に挑む - 浅田稔

著者があとがきで「いかんせん(私は)工学出身なので説明が難しいかもしれません」と書いているとおり、素人の僕には良く理解できない記述もあり、途中で睡魔に襲われてしまうこともありましたが(笑)、ロボット工学についての理解を深めることができました。 …

単純な脳、複雑な「私」- 池谷裕二

ブックデータベースより 20年前に卒業した母校で、著者が後輩の高校生たちに語る、脳科学の「最前線」。切れば血の吹き出る新鮮な情報を手に、脳のダイナミズムに挑む。かつてないほどの知的興奮が沸きあがる、4つの講義を収録。 とても興味深く読みました。…

科学の栞 世界とつながる本棚 - 瀬名秀明

100冊ほどの科学関連本を紹介した書評集。 それぞれの本の書評は、2ページ程度と短めなので、すいすいと読む事ができます。この本そのものが科学への興味をかき立て、知的好奇心を刺激してくれます。もっと知りたいという気持ちが芽生えるので、たとえここで…

世にも美しい数学入門 - 藤原正彦, 小川洋子

素数の話、円周率の話、三角数の話といった数学の話はもちろん、西洋人と東洋人の違い、日本人の美的感覚と独創性など、面白い話が沢山。 特に興味深かったのは、数学は実験科学のようなものという言葉。天才は実験を嫌がらないというのはちょっと驚き。それ…

こころの情報学 - 西垣通

情報学(情報科学とはまた別の学問のようです)についてはほとんど知識がなかったせいか、第1章「情報から心をみる」からつまずきました。 Bookデータベースから抜粋しますが、 地球上に生命が誕生した三十数億年前に、情報も同時に誕生した。情報とは生命の…

はやぶさ―不死身の探査機と宇宙研の物語

はやぶさの本であると同時に、日本のロケット開発の歴史の本でもあります。はやぶさの偉業には多くの研究者、技術者達の想像を超えた熱い努力があったことを知りました。専門用語が目白押しで意味の通じない箇所が何箇所もありましたが、なんとか最後まで読…

動的平衡 生命はなぜそこに宿るのか - 福岡 伸一

『生物と無生物のあいだ』を書いた分子生物学者の福岡伸一の科学エッセイ。生物とは何かをとてもわかりやすく噛み砕いて説明してくれます。アンチエイジング、ダイエット、ウィルスなど、身近な話題を、われわれ一般人とはまったく違った切り口で論じており…

眼の誕生 - カンブリア紀大進化の謎を解く

スティーヴン・ジェイ グールドの『ワンダフル・ライフ―バージェス頁岩と生物進化の物語』を読んだのはいつのころだったでしょうか?この『ワンダフル・ライフ』の日本語版が発行された(今は文庫本でよむことができます)のが、1993年ということだから、た…

宇宙創成 (上)(下)

原題は、『BIG BANG』。ですが、ビッグバンの詳細を説明する解説本ではありません。地球や月、太陽の大きさを推定した古代から、現在のビッグバンモデルに辿りつくまでの壮大な科学歴史ドラマです。そして、理論と実証という科学の両輪の重要性を余すところ…

ねこ耳少女の量子論

なぜか、家内が買ってきた本です。結局僕が読みました。ここに書いてある内容は、量子論のさわりの部分で、素人の僕でも、「ああ、これはどっかで読んだな」という内容がほとんどでしたが、頭の片隅に追いやられていた知識を再度呼び戻すことができました。…

サイエンス・イマジネーション 科学とSFの最前線、そして未来へ

平たく言えば、ロボット本です。『人とロボットの秘密』(堀田純司著)を読んで、別のロボット研究の本を読みたいと思い、選んだのがこの本です。第65回世界SF大会/第46回日本SF大会「Nippon2007」でのシンポジウム「サイエンスとサイエンスフィクションの最前…

人とロボットの秘密

表紙から受ける印象よりも、はるかにまじめな内容の本です。確かに、ロボットアニメを引き合いに出し、現在のロボット研究を考察していますが、松原仁(公立はこだて未来大学)、石黒浩(大阪大学)、中田亨(デジタルヒューマン研究センター)、前野隆司(慶應義塾…

科学の扉をノックする

科学って本当に面白い、そう感じさせてくれる本です。なによりも「博士の愛した数式」の著者として有名な小川洋子さんが、科学に興味をもち、そして驚き、感心し、楽しんでいる様子が、読んでいるこちらにも伝わってくるところが素晴らしいです。この本は、…

生物と無生物のあいだ

話題になった本だけあって面白いです。前半は、生命の謎に挑んだ科学者たちの熱きドラマがあります。DNAの発見をめぐる科学者たちの苦労と激しい競争が鮮やかに描かれていて、上質なミステリーを読むようなそんな感覚で読み進めることができます。そして後半…

海馬―脳は疲れない

糸井重里と脳科学者・池谷祐二の対談集。 良い意味で予想を裏切ってくれました。 単なる知的好奇心を満たすだけの本ではありませんでした。実際に役に立つ情報も豊富で、脳を科学するってのは、生活をそして人生を科学するってことなんだなーなんて思ってし…

暗号解読 下巻

下巻はいっきにコンピュータを使った暗号の話になるのかと思ったら、古代文字の解読の話から始まった。子供の頃(今でもだが)どうして古代文字の解読ができるのか不思議だったけど、これを読んで理解出来た。通常の暗号解読と違って、時間的制約が無いのが…

暗号解読 上巻

暗号の歴史とその発展を描いた話題作。単なる暗号の仕組みを解説したものではなく、暗号作成者と暗号解読者たちの壮絶なドラマが描かれています。上巻では、単アルファベット換字式暗号から徐々に複雑になっていき、第2次世界大戦で用いられた自動暗号作成…

フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理とは、 x^n + y^n = z^n ※ x^n は、x の n乗の意味という式において、 n > 2 の場合には、整数解が存在しないという定理ですが、17世紀に数学者フェルマーが本の余白に、「この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この…

頭がよくなる数学パズル

数と図形を扱うパズルを100問集めた本です。この本に出てくる問題の多くは小学校の算数の知識で解ける問題です。でも、なかなか手ごわい問題が多く、ひらめきと根性が必要な問題ばかりです。頭の体操に持って来いの本だと思います。パズル好きの人は、既にこ…

天才数学者、株にハマる 数字オンチのための投資の考え方

ワールドコムの株で大損した数学者の著者が、数学的な切り口で株の投資理論(?)を紹介してくれます。「天才数学者に株にハマる」という題からは、気軽に読める本かと思ったのですが、そうではなく、かなり頭を使って読まないといけない本でした。とはいっ…

エレガントな宇宙―超ひも理論がすべてを解明する

時々、本のページをめくらないうちから、題名と装丁をみただけで購入したくなる本があります。僕はこれを「本のほうが僕を選んだ」と考えているのですが、この「エレガントな宇宙」は、まさしくそういった本の中の一冊です。本屋の平積みにされている本の中…

アリはなぜ、ちゃんと働くのか

なぜ、命令されていないアリたちは統制された行動をとるのか、その謎にせまった白眉の書だと思います。あの小さなアリにどうして集団行動がとれるのか。なぜ、全体で見るとそれが意図を持っているように見えるのか、考えれば考えるほど不思議です。この疑問…