アンドロイドは電気羊の夢を見るか? - フィリップ・K・ディック
映画「ブレードランナー」の原作で、いわゆる古典的名作と呼ばれている作品です。
でも、文体が感覚的に合わなかったです。そのため、人間の本質とはという本書のテーマに、僕自身がうまく入っていけませんでした。
それと、なぜ主人公はアンドロイドを殺さなくてはならないのかという点が、釈然としないまま話が終わってしまったように感じます。それともそう考える僕自身がアンドロイドに感情移入した結果であり、作者が意図したことなのか。。。まあ、僕の読み込みが足りないので何とも言えません。
こんな感想を持つのは、「アイの物語」を読んで間が無かったのも要因かもしれません。
とはいえ、主人公が逮捕され、自分自身が人間なのかアンドロイドなのか、判然とせず混乱に陥り、その結果、アンドロイドに強い共感を持つにいたったあたりは、読み応えがありました。
最後の、主人公の妻の「うちの主人はそれ(ヒキガエルの電気動物)に夢中なのよ」という台詞はなかなかのものでした。この台詞で、一気に明るい雰囲気になりました。
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229))
- 作者: フィリップ・K・ディック,カバーデザイン:土井宏明(ポジトロン),浅倉久志
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1977/03/01
- メディア: 文庫
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