継ぐのは誰か?- 小松左京
若い頃はSF小説ばかりを読んでいて、小松左京は大好きな作家の一人でした。『継ぐのは誰か?』は読むのは2度目であり、久しぶりにSFらしいSFを読んだという気がします。
年代設定は、地球上から戦争が途絶えてから久しい時代ということなので、たぶん21世紀後半くらいを想定していたのでしょうか。この作品に出てくる技術を考えると、彼の持つ先見性はさすがだなと思いますが、当時としては夢のような技術も、その多くがすでに実現してしまったことを考えると、今となっては、物足りなさも感じますが、それはSF小説の宿命であり仕方ないことでしょう。
一つ注文をつけるとすれば、後半の新人類の秘密を解き明かす部分は説明が多くちょっと閉口。ストーリーの流れを止めてしまうように思います。登場人物が「語る」という形ならばもっと物語の中に入ってゆけるのかなーと感じました。
それでも、小松左京の世界を久しぶりに堪能できて満足です。
- 作者: 小松左京
- 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
- 発売日: 1998/02
- メディア: 文庫
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