模倣犯 3 - 宮部みゆき
第2巻に続いて、事件を起こした側からの視点で物語が進みます。後半の和明とヒロミの絡みは、実に読み応えがありました。
「誰かに向かって手を広げ、僕がついているよ、一緒なら大丈夫だよと声をかけた瞬間に、 人間は、頼られるに足る存在になるのだ。最初から頼りがいのある人間なんていない。 … 誰だって、相手を受け止めようと決心したそのときに、そういういう人間になるのだ。」実にこころに響く言葉です。
それにしても悲しすぎる最後です。せっかく和明の必死の説得がヒロミの心を動かしたのに。それが無になるなんて...
これでやっと1巻の最後の交通事故まで話が進みました。完璧と思われた犯行も、徐々に綻びが見えかくれしてきました。これからどんな展開が待っているのか、これまで登場した人物達がどう事件に関わってくるのか、とても気になります。