気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

フェルマーの最終定理

フェルマーの最終定理とは、
  x^n + y^n = z^n
  ※ x^n は、x の n乗の意味
という式において、 n > 2 の場合には、整数解が存在しないという定理ですが、17世紀に数学者フェルマーが本の余白に、「この定理に関して、私は真に驚くべき証明を見つけたが、この余白はそれを書くには狭すぎる」と残したことで有名になったものです。この定理(予想)は300年間誰も証明することができませんでしたが、アンドリュー・ワイルズが1995年に完全な証明を発表したことで、真の定理になりました。
この本は、ワイルズが完全証明をするまでの波乱の数学ドラマを描いたノンフィクションです。
話はなんとピタゴラスの時代(紀元前の古代ギリシャ時代)にまでさかのぼり、そこから現在にいたるまでの長いながい数論の歴史が語られます。
それにしても、この『フェルマーの最終定理』には、壮大な人間ドラマがあったことに本当に驚くとともに、大きな感動を得ることができました。
また、この大定理の証明に、日本人数学者も深く関わっていることを知り、日本人としてとても誇りに思えました。
フェルマーの最終定理』の証明そのものは、とても僕には理解できるものではありませんが、この本は、数学が苦手な人も理解できるような内容になっており、数学をすっかり忘れてしまった僕にも、難なく読み進むことができました。
知的好奇心を満たしてくれるとても素晴らしい本だと思います。
若い頃にこのような本に出会っていたら、数学にもっともっと興味を持つことができたと思います。

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)