気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

日本アパッチ族 - 小松 左京

小松左京の処女長編。

戦後間もない大阪で、鉄を食べる人種が現れるという奇想天外なSF。アパッチ族と名乗る鉄を食べる彼らが独自の自治を主張したことで、日本政府はその殲滅に動き出します。この対立はやがて日本国の存亡に関わる大きな戦いへと発展して行きます。

うーーん、凄いです。ユーモラスな筆致の中にもシリアスさを感じるこの作品は、50年前に書かれたものとは思えない新鮮さを感じます。

小松左京の小説を読むと良く感じることですが、現代社会を支えるインフラが崩れるといかに我々は脆いかということ。小松左京の先見の明がこの小説のあちこちに現れていますね。

 

日本アパッチ族 (ハルキ文庫)

日本アパッチ族 (ハルキ文庫)