気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2009-01-01から1年間の記事一覧

夏の椿 - 北重人

BOOKデータベースより 天明六年。江戸が大雨に襲われた日、甥の定次郎を何者かに斬殺された旗本の三男坊である立原周乃介は、その原因を調べるうちに、定次郎が米問屋柏木屋のことを探っていたことを知る。柏木屋の主人、仁三郎には暗い陰が見え隠れしている…

天国までの百マイル - 浅田次郎

かつては、仕事で億単位の金を動かしていた元会社経営者の主人公。しかし、バブルが弾け、会社は倒産。自己破産し、妻にも見放され、子どもへの養育費を払うために日々の生活にも困る有様。そんな中年の主人公が、心臓病を患う母の命を救うため、天才的外科…

ことばと文化 - 鈴木孝夫

外国語を知ることは日本語そして日本文化を知ることにもなる、そう教えてくれます。そして、言葉と文化の深い深いつながりを教えてくれます。たとえば、水という単語ひとつとっても、日本語は、湯と区別していますが、英語では、この区別はありません。マレ…

人とロボットの秘密

表紙から受ける印象よりも、はるかにまじめな内容の本です。確かに、ロボットアニメを引き合いに出し、現在のロボット研究を考察していますが、松原仁(公立はこだて未来大学)、石黒浩(大阪大学)、中田亨(デジタルヒューマン研究センター)、前野隆司(慶應義塾…

アップルを創った怪物

スティーブ・ジョブズと共にAppleを創業した伝説のエンジニア「スティーブ・ウォズニアック」の自伝です。ウォズが昔を思い出しながら、口述したものをライターさんが昔語りの雰囲気を残したまま書籍としてまとめています。スティーブジョブスと違い、全く表…

科学の扉をノックする

科学って本当に面白い、そう感じさせてくれる本です。なによりも「博士の愛した数式」の著者として有名な小川洋子さんが、科学に興味をもち、そして驚き、感心し、楽しんでいる様子が、読んでいるこちらにも伝わってくるところが素晴らしいです。この本は、…

天才の栄光と挫折―数学者列伝

『国家の品格』の著者として知られる数学者・藤原正彦氏が書いたノンフィクション作品。著者が尊敬する9人の天才数学者たち(ニュートン、関孝和、ガロワ、ハミルトン、コワレフスカヤ、ラマヌジャン、チューリング、ワイル、ワイルズ)の人生を綴っていま…

星新一 一〇〇一話をつくった人

ショートショートという分野を確立したSF作家星新一の一生とSF界の発展の歴史を描いたノンフィクション作品です。第29回講談社ノンフィクション賞、第28回日本SF大賞、第34回大佛次郎賞、2008年日本推理作家協会賞、第39回星雲賞ノンフィクション部門などの…

暁の密使 - 北森 鴻

仏教の聖地チベットを目指し、単身、中国を旅した実在の仏僧「能海寛(のうみゆたか)」を主人公とした物語。ミステリー作家と知られる北森鴻氏の作品ということで、ミステリー小説として読めなくはないですが、史実を題材にした冒険歴史小説として読んだほ…

白い人 黄色い人 - 遠藤周作

『青い小さな葡萄』につづき、遠藤周作の初期の作品である『白い人・黄色い人』を再読しました。この本は、「白い人」と「黄色い人」という独立した2つの短編が収められています。タイトル通り、「白い人」が白人を描いた作品で、「黄色い人」が日本人を描…

イン・ザ・プール - 奥田 英朗

名医とはとても思えない、そして社会適用性がゼロにちかい変な精神科医の伊良部一郎とその患者たちを描いた5つの連作短編集。どの作品も可笑しかったと同時に、読後感はなぜか暖かく良い気持ちにしてくれるそんな作品です。この精神科医の患者は、水泳中毒…

ネット未来地図 ポスト・グーグル時代 20の論点

本書が書かれたのが、2007年秋なので、すでに1年以上経ってしまっているが、それでも、ネットビジネスについて知ろうと思ったら、この本は読む価値があるのではと思います。この手の本は通常であれば、すぐに陳腐化してしまうものだと思いますが、そうなっ…