気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

理由 - 宮部みゆき

ルポルタージュ形式といったらよいのだろうか、ちょっと変わった形式を採用したこの小説は、僕が読んだ宮部みゆきの作品の中では一番重い内容だったように思います。一家4人の殺害事件が徐々に徐々に解明されていくにしたがい、「家族っていった何なのだろう」それを深く深く考えさせられました。多くの登場人物もとても丁寧に描いており、彼らの発する台詞が、とてもリアルで印象的でした。

わくわく、どきどきといった物語でもないし、スピード感のある展開もない、にも関わらず、物語の中にどっぷりと浸かってしまう、そんな小説です。そういう意味では、「魔術はささやく」「レベル7」「クロスファイア」などのを好む人には、全く別の作家の小説のように感じるかもしれません。

理由 (新潮文庫)

理由 (新潮文庫)