気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

ノンフィクション

プロフェッショナルな修理 - 足立 紀尚

とても興味深く読む事が出来ました。着物、仏壇、椅子、ピアノ、スクーター、絵画などなど僕の知らない修理の世界、職人さんの世界がありました。僕が知らないだけで、日本にもこういった修理の需要が結構あるんだなーと、勉強になりました。この本を読んで…

夏から夏へ - 佐藤多佳子

2007年の大阪世界陸上を走り日本新、アジア新を出した男子4×100mリレーの4人(塚原、末續、高平、朝原)のドキュメンタリー。陸上競技にはまったく縁のない僕が読んでも十分に4継の魅力が伝わってくる良い本だと思います。5人目のリザーブ小島選手が取り…

陽はまた昇る

NHKの「プロジェクトX」でも取り上げられたVHS開発物語。日本ビクターが開発したVHSがなぜ世界標準となったのか、開発責任者である高野鎭雄氏の活躍を中心にその軌跡を描いた感動作です。VHSの成功は、もちろん彼一人で成し得たものではありません…

敗れざる者たち

前々から読もうと思っていたのですが、やっと読むことができました。評判どおりの内容でした。スポーツ選手たちの栄光と挫折を描いたルポルタージュで、昭和48年〜昭和51年に書かれた作品群です。題名は「敗れざる者たち」ですが、ここで描かれている多…

ジェットエンジンに取り憑かれた男〈下〉

戦後のジェットエンジンの開発の歴史が克明に描かれています。人間ドラマとしてみると、この作品は物足りなさを感じますが、それでも、ジェットエンジンに取り憑かれた男たちの熱い思いというものが伝わってきます。特に、開発の中心人物の一人である永野氏…

ジェットエンジンに取り憑かれた男〈上〉

題名の通り、ジェトエンジンの開発に心血を注いだ技術者たちの物語(ノンフィクション)です。上巻は、第二次世界大戦の真っ只中、日本初のジェット機「橘花」とそのエンジン「ネ20」を開発した技術者達の物語です。終戦が迫った厳しい状況の中で、エンジン…

事実の読み方

人はある出来事を理解する際に、多かれ少なかれ必ず予断が入り込むものです。この予断を排し、事実を見るには何が必要なのか、大切なことを見落とさないためにはどうすればよいのかを考える機会を与えてくれる、そんなエッセイ集です。ここで語られる事件や…

犠牲(サクリファイス)―わが息子・脳死の11日

自分の息子の死(心の病→自殺→脳死)という、とても冷静にはなれないテーマをノンフィクション作家ならではの冷静な目で描いています。柳田氏があとがきで書いているように、激しい挫折感と敗北感で打ちのめされ、作家活動そのものを続けることが困難な状態…

カッコウはコンピュータに卵を産む

本書は、ネットワークハッカー追跡のドキュメントです。天文学の研究者であり本書の著者であるクリフォード・ストール氏が勤めるバークレーにあるローレンス・バークレー研究所で、研究所の課金情報がたった75セント違っていることが、きっかけとなり、F…

ホンダ神話―教祖のなき後で―

副題は、「教祖なき後で」ですが、ホンダ創業時からの歴史が克明に描かれたノンフィクション作品です。中心となる部分は、副題の通り、本田宗一郎と藤沢武夫という2人の創業者が退いたあとのホンダの混迷です。官僚主義や人事抗争などがはびこり、様々な危…