気ままな読書ノート

日本の小説を中心に読んだ本の感想を書いています。時々IT関連本や本の自炊の話題も。最近は自炊した書籍をiPhoneで再読することも多いです。

2005-01-01から1年間の記事一覧

ラッキーマン

「ほんとうに大切なものを、ぼくは病気のおかげで手に入れた。 だから、ぼくは自分をラッキーマンだと思うのだ。」30歳の若さでパーキンソン病という不治の病に侵されたマイケル・J・フォックスの自叙伝です。この本は、ベストセラーとなった本ですので、…

聖母の日

偶然手に入れた古文書をもとに聖母マリアが眠るという洞窟を探し当て、老女の遺体をニューヨークの協会に移送したことから、次々と奇跡が起こり始める。F・P・ウィルスンが女性名義メアリ・E・マーフィーで発表したといこともあり、ナイトワールドサイクルと…

.NETエンタープライズWebアプリケーション開発技術大全 Vol.1

マイクロソフトのコンサルタントが「現場」の視点からアプリケーションアプリケーションアーキテクトを目指す上で必要となる様々なセオリーを解説するシリーズの第1巻「.NET Framework導入編」です。.NETの概要、マイクロソフトが提供する開発技術の概要な…

堪忍箱 - 宮部みゆき

人の心の内の内を覗き込めば、人に知られたくない思い、記憶、弱さ、嫉妬...があるものです。そんな心の中を描いた短編集が、堪忍箱です。蓋を開けたら最後、この近江屋に災いが降りかかるという堪忍箱とは…、表題の「堪忍箱」を含む8編が収録されています…

黒い風

僕の大好きな「ナイトワールドサイクル」シリーズを書いたFポール ウィルスンによる日本を舞台にした伝記ロマン。「隠れた貌」という謎の宗教結社が不思議な嵐「黒い風」を使い、軍部とともに太平洋戦争でアジアを支配しようと企てます。恐るべき秘術「黒い…

蝉しぐれ - 藤沢周平

なんという無駄のない、隙のない、そして上品な文章だろうか。この本を読み始めて感じた感想です。始めは淡々と物語が流れて行き、文章を楽しみながら読み進めました。後半はスピード感あふれる息もつかせない展開になり、映画を見ているような感じ。そして…

もう、きみには頼まない―石坂泰三の世界

第一生命、東芝社長を歴任、高度成長期に長年、経団連会長を務め、"日本の陰の総理""財界総理"と謳われた、気骨ある財界人の生涯を描いた長篇小説。現役の大蔵大臣や総理大臣に「もうきみには頼まない」と啖呵を切れる気骨のある人物の生き方に触れるのは本…

本所深川ふしぎ草紙 - 宮部みゆき

宮部みゆきの作品は、現代物も良いですが、時代物も良いですね。本所七不思議を題材にした7つの短編集です。下町の人情物に「ミステリー」という調味料を加えたこの短編集は、どの作品も感動的で、心の奥に迫ってくる語りは、さすが宮部みゆき、と思わせる…

総門谷 - 高橋克彦

この小説は、「総門谷R(阿黒篇)」「総門谷R(鵺編)」「総門谷R(小町妖怪編)」と続いていくのですが、僕としてはシリーズ最初のこの「総門谷」が一番面白いと思います。分類としてはSF伝記小説に分類されるのでしょうが、「そんなの有り得ないだろう」と…

竜馬がゆく 全8巻 - 司馬遼太郎

幕末維新には、様々な英雄が生まれましたが、坂本竜馬はその中でも一番の英雄なのではないでしょうか。この本を読んで、坂本竜馬という人物がいかに魅力あふれた素晴らしい人物なのかを改めて知ることができました。いままでは、海援隊を作り、薩長連合を実…

鳩笛草 ―燔祭・朽ちてゆくまで - 宮部みゆき

「鳩笛草」「燔祭」「朽ちてゆくまで」という3つの中篇が収められています。この3編は、ともに、超能力者を扱った物語です。「龍は眠る」「クロスファイア」同様、超能力を持って生まれたがために苦悩する主人公たちに、感情移入せずにはいられません。特…

粗にして野だが卑ではない

78才という高齢ながら財界人として初めて国鉄総裁の職に付いた石田禮助氏の生涯を描いた城山三郎の小説。「ずいぶんと多勢の人に仕えたが、あんな気持ちのいい人はいない。毎朝、石田さんに会うのが楽しみだった。生涯、あの人ほどの人物に会うことはないだ…

リファクタリング - プログラミングの体質改善テクニック

リファクタリングとは、ソフトウェアの外部的振る舞いを保ったままで、内部の構造を改善してゆく作業のことです。リファクタリングをする事で、コードを読みやすくし、修正しやすく保つことができます。本書は、このリファクタリングのガイドブックで、系統…

写楽殺人事件 - 高橋克彦

江戸川乱歩賞を受賞した高橋克彦氏のデビュー作(たぶん)です。浮世絵師写楽がいったい誰だったのかという謎と、現代で起こった殺人事件とを絡ませたミステリー小説です。僕は、この本を読むまで写楽のことについてほとんど知らなかったのですが、本当に謎…

夢にも思わない - 宮部みゆき

「今夜は眠れない」の続編です。またもや雅男と島崎の中学生コンビが活躍するミステリー仕立ての青春小説です。5億円遺贈の次は、殺人事件と、そんな大事件に会うなんてあり得ないだろう、と思いながらも、物語の中に入り込んでしまいます。若い娘の売春問…

ナイトワールド

「ナイトワールド・サイクル」の最終章。今までの登場人物が総登場する豪華な顔ぶれで、「ラサロム」との最後の戦いが展開されます。これまでにない大きなスケールで、読者を楽しませてくれます。まさに、ノンストップ・ホラーという名に相応しい内容です。…

最後の相場師

是川銀蔵という実在の相場師をモデルとした小説で、ある老人が相場の世界で活躍するサクセスストーリー。時代は昭和50年代であり、個人が気軽にネットトレーディングできる現在とは大きな違いがあると思いますが、逆にそういった時代だからこそのストーリ…